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ロサンゼルスで宇宙機展示を巡る

出張でロサンゼルスに来ている。短期の出張だったので帰国の前に1日だけ休暇をもらって、ロサンゼルスで展示されている宇宙機をいくつか巡ってみることにした。

まずはホーソーンにある SpaceX を目指す。宿泊先のホテルがあるダウンタウンからホーソーンまでは距離があり、Uber なんかを使うと数千円になってしまうため、今回は安く移動できる LA Metro を使って移動することにした。ホテル近くの Metro Center まで歩いて行き、$7 の1日パスを購入。購入すると TAP カードという非接触 IC カードが出てくる。

さっそく1日パスを使って、近くのバス停から Silver Line の南行きバスに乗る。TAP カードは乗る時にタッチしておく。Silver Line のバスは途中からフリーウェイを走るので速い。30分ぐらいで Harbor Freeway に到着してここで下車。

Harbor Freeway は文字通りフリーウェイのインターチェンジのど真ん中にあり、周囲は車がバンバン走る。ここからは Green Line の西行きに乗り換え。この路線は鉄道になっている。

SpaceX Headquarters

Green Line に乗って2つ目の駅 Crenshaw Station で下車。このあたりから SpaceX 社員をちらほら見かけるようになる。ホーソーン空港の脇を南に少し歩けば SpaceX の本社に到着。ここまで乗り換えも含めて1時間弱だった。本社の中には入れないけれど、本社脇には Falcon 9 のブースターが展示されているので、ガラス越しに自由に見学できる。

SpaceX Headquarters

デカい。これだけの大きさのものが宇宙の入り口から動力降下してきて着陸したという凄さが改めて肌で感じられた。着陸脚や姿勢制御用のフィンなんかは他のロケットの展示では見られないので見応えもある。

SpaceX Headquarters

ブースターの周囲では SpaceX の社員が頻繁に出入りしている。「ちょっと中も見学させてくれない?」とお願いしてみようかと思いつつも、さすがに事前のアポなしでは厳しいと思うので、他の宇宙機展示を見にいくことにする。そういえば本社前では Boring Company のトンネル掘りの現場っぽいのも見ることができた。

SpaceX Headquarters

Falcon 9 を堪能したら、次は退役したスペースシャトル エンデバーが展示されている California Science Center を目指す。Crenshaw Station から再び Green Line に乗って来た道を戻る。Harbor Freeway で Silver Line の北行きに乗り、今度は 37th St/USC で下車。そこから5分ほど西に歩けば California Science Center に到着。

エンデバーの運搬 (LA の街中を縫うように運んできた) の動画やら、実際に最終ミッションで使われた着陸用のタイヤの展示なんかを見つつ、専用の展示ホールに入るとエンデバーがお目見え。

California Science Center

建物に入ってよし見るぞ!と思った瞬間、子連れママにすごく笑顔で「子供の笑顔の写真を撮って欲しいの!」とお願いされて写真を撮る。もちろんですとも。写真撮影を終えて、ようやくエンデバーをじっくり見学。実物を見るのは STS-126 の打ち上げ以来、約10年ぶり。思えば遠くに来たものだ。

California Science Center

以前ニューヨークで見たエンタープライズとは違い、OMS の汚れとか耐熱タイルが削れていたりと実際に再利用していた感じが伝わってくる。SSME は個別の展示もあって飽きない。エンデバーの建物のすぐ横には外部燃料タンクが展示されている。どうやらこれは使われなかった最後のタンクらしい。今後はこれらを組み合わせて打ち上げ前の状態で展示する準備を進めているのだそう。実現したらまた再訪したい。

California Science Center

California Science Center には他にもアポロ・ソユーズテスト計画の時のアポロ宇宙船やら、ジェミニ11号の実機なんかもごろごろと展示されていて、いつものようにアメリカの宇宙業界の歴史の長さというかパワーの違いみたいなもの感じさせられる。

一通り展示を見て、カフェテリアコーナーで遅い昼食。チーズピザがうまい。お土産コーナーには NASA 関連グッズが充実しているので、旅のお土産をここで買い揃えるのもよさそう。帰りは近くの Expo Park 駅から Expo Line の電車にのってダウンタウンまで戻り、今回の宇宙機展示巡りはおしまい。

宇宙機をただ眺めてくるだけだったけど、実によかった。次に来る機会があれば SpaceX の社内見学をなんとか実現する方法を考えてみたい。

Moto Ishizawa

Moto Ishizawa
ソフトウェアエンジニア。ロケットの打上げを見学するために、たびたびフロリダや種子島にでかけるなど、宇宙開発分野のファンでもある。