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ファイナル・フロンティア 有人宇宙開拓全史

10月に出版された「ファイナル・フロンティア 有人宇宙開拓全史」を少し前に読了したので、簡単に感想などを。

この本は、ガガーリンによる初めての飛行からスペースシャトルまでの有人宇宙開発史を分かりやすくまとめた良書です。アメリカとロシアがかつておこなっていた宇宙開発競争の内容はかなり複雑ですが、それぞれの国の視点で何をやってきたのかが分かりやすくまとまっており、有人宇宙開発史に詳しくないけれど興味がある、といった人向けの入門書としてもオススメできると思います。また、様々なエピソードの裏で起きていた話の詳細も一部まとめられているので、有人宇宙開発史にある程度詳しい人にとっても、この本を読むことで新しい発見があるかもしれません。

個人的には、「有人宇宙開発」とは少し逸れるものの、V2ミサイル、及びフォン・ブラウンに関連する話がほとんど出てこなかったのは非常に惜しいところ。V2ミサイルの開発から始まり、アメリカ、ロシアに引き継がれていく流れがあると、より理解が深まると思いました。また、アメリカのアポロ計画とスペースシャトル初飛行の間には、スカイラブ計画が存在したはずなのですが、その点も省略されていたのが気になりました。アポロ・ソユーズテスト計画については書かれていただけに、その点についても残念でした。

全体的には良書なので、ぜひ電子書籍版も出して欲しいところですが、今のところ出る気配はなさそうですね…。この本を読んで、宇宙開発史に興味を持った方は「宇宙へ。」も観るとさらに理解が深まると思うので、こちらもオススメです。

Moto Ishizawa

Moto Ishizawa
ソフトウェアエンジニア。ロケットの打上げを見学するために、たびたびフロリダや種子島にでかけるなど、宇宙開発分野のファンでもある。