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H-IIB打ち上げ見学ツアー 種子島編 その2

種子島編 その1の続き。時刻は9月10日の20時前。打ち上げがある午前2時までまだ時間があるので、夕食後は1日の汗を流しに河内温泉センターに行ってみることに。えらく愛想のいい、管理人らしきおばちゃんに入場券を渡して入浴。ふー、疲れがとれる。入浴後は休憩スペースのテレビで放映していた「科捜研の女」をなぜかひたすら観る。テレビドラマなんて久々な気がする。

H-IIB TF1 Lunch

しばらくまったりしていたら21時を過ぎたので、昼間のうちに訪れていた見学場所の長谷展望公園に再び移動。丘の中央の前方付近に場所を確保して、打ち上げ時刻まで待機。しばらくTwitterで最新情報の収集やら、撮影機材のセットアップやらをしていました。今回の撮影機材は去年のシャトル打ち上げ時と同じく、EOS Kiss X2SIGMA 28-300mm F3.5-6.3。打ち上げ時は観ることに専念したかったので、セッティングはISO200でシャッタースピードを1/40にして、連射したまま放置することにしました。

22時を過ぎたあたりでiPhoneのバッテリーも尽きたので、充電しつつ2時間ほど仮眠。0時過ぎたあたりで目を覚まして、しばらくTwitterでつぶやいたり、横でひたすら寝ていたkazuさんを「もう打ち上がりましたよ?」と起こしてみたり(飛び起きた!)して遊ぶ。1時半を過ぎ、ようやく会場にもJAXAの中継が流れ出す。その頃には多くの人が長谷展望公園に集まっており、僕らの場所のすぐ後ろは何人かの地元のお年寄りの方々で、ちょっとしたお祭り気分で打ち上げを気軽に観に来れるなんてうらやましいなぁと思ったり。

1時50分、天気は曇り、ここまで雨もなし。最終的な打ち上げGOの判断が下され、あとは打ち上げを待つばかりに。1時56分、カウントダウンの声が300を切り、そわそわする。2時1分、打ち上げ30秒前。ウォーターカーテン散水のアナウンスがあり、さぁいよいよ。10秒前、緊張しつつカメラの連射撮影を開始して、観る事に集中する。5秒前、クラスター化された2基のLE-7Aが点火し、会場からはみんなのカウントダウンの声。5、4、3、2、1、0。

H-IIB TF1 Lunch

2時1分46秒。4基のSRB-Aが点火され、あたりがまばゆい光につつまれる。会場からも歓声があがり、音のないままゆっくりとタワークリアしたH-IIBが加速していく。まるでスローモーションでも見ているんじゃないかと思いはじめた瞬間、ようやくSRB-Aのバリバリとした衝撃音が聞こえてきて体を震わせる。そのままH-IIBは光を放ちながら、音だけを残して上空に広がる厚い雲の層の中へ飛び込んでいき、同時に会場はため息につつまれる。

H-IIB TF1 Lunch

まだ上空から聞こえてくるSRB-Aの音を楽しみつつ、会場からは拍手。よい打ち上げでした。あのまばゆい光と固体燃料が燃える音、やはり夜の打ち上げは美しく、観に来てよかった。少し震える手を抑えながらながら撮影機材を片付けて、撤収へ。駐車場に戻る途中でJAXA TVの中継がテレビで放映されていたので、HTVの分離まで見守る。HTVも分離に無事成功し、打ち上げは大成功。よかったよかった。

この晩の宿は確保していなかったので、撤収後は駐車場に止めた車の中で打ち上げの余韻に浸りつつ寝る。旅の疲れもあってそのままバタリ。この続きは種子島編 その3で。

Moto Ishizawa

Moto Ishizawa
ソフトウェアエンジニア。ロケットの打上げを見学するために、たびたびフロリダや種子島にでかけるなど、宇宙開発分野のファンでもある。