SummerWind

Web, Photography, Space Development

今さらXHTML+CSS (r)evolution, 3rdの感想とか

完全に書くタイミングを逃した感がありますが、先週の金曜日に行われたXHTML+CSS (r)evolution, 3rdの話を。とはいってもすでに以下のページでツッコミ(?)などは素晴らしくまとめられているので、個人的な感想を中心に。

今回は「いま話題の「HTML5」とHTMLの再開発」というテーマだったわけですが、プレゼンターの益子さんが「HTML5なんて必要ないんじゃないか」というニュアンスの発言を繰り返し、これにより会場全体からも「HTML5いらないんじゃない?」的な雰囲気を(少なくとも自分は)感じたのを自分は残念に思いました。

新しいHTMLの策定は現在、W3CのHTML Working Groupで行われています。イベントの最後にW3Cの平川さんが言っていましたが、このHTML WGには一般の人もInvited Expertとして参加し、仕様策定に参加することができます。これはつまり(おそらく)誰もが少しは抱いているであろう今のHTMLの不満を策定の段階で示し、議論することでそれを改善することができる可能性があるということです。

HTMLへの不満を持っている人の多くは、今回のイベントに参加するような熱心なWeb制作者とよばれる人々ではないでしょうか。だからこそWeb制作者の人々は積極的に策定に関わるべきではないかと自分は思います。「パンくずリストをどうマークアップするか」などといった議論がよくありますが、それを現在の仕様という「制限」の中で単に制作者の間で繰り広げるのではなくて、WGで仕様の策定段階での問題点として議論し、皆で一つの方向を導き、その仕様を作りかえるという事も今(仕様策定中)であれば可能なはずです。

とはいえ、策定の議論は全て英語で行われるため、英語をまともに使えない人 (自分もそのひとりです) にとってはかなり大変な事です。でも、日本人だけで意見を出し合い、誰かがそれをまとめてしかるべき時にWGの議論にのせるという事も可能ですよね。少なくとも今回のようなイベントに来るような人々は互いにつながりを持っている人も多いようですし、その中には議論をまとめられるようなカリスマ的な存在の人も何人かいるように思えます。

「じゃぁ、おまえまとめろよ」とか言われそうなぐらい無責任な事を書いてしまいましたが、上に書いたような可能性はまだまだあるのに、このイベントの時点でその可能性を早くも失うような方向性になってしまっていたのが、とにかく自分としては残念だったのです。トークの中で中村さんは「便利なら(HTML 5を)使おうかな」といった発言をされていましたが、「便利なら」という受け身ではなくて「便利なものを作ろう」ぐらいの姿勢のほうが、後にHTMLを使うみんな幸せになれる気がしませんか。もちろん、今のままのHTMLや、XHTMLで構わないという人々を否定する気はまったくないですが。

Moto Ishizawa

Moto Ishizawa
ソフトウェアエンジニア。ロケットの打上げを見学するために、たびたびフロリダや種子島にでかけるなど、宇宙開発分野のファンでもある。