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Apolloへの期待

すでに各所で話題になっていますが、Adobeが以前から開発を表明していたアプリケーション実行環境「Apollo」のアルファ版が先日公開されました。実行環境と開発環境の両方が公開されたので、今から作って遊べるというところが嬉しいですね。

実際に使ってみた感じでは、Windows版のページのレンダリング(とくに日本語周り)に問題が多いように感じますが、エンジンに使われているWebKitの移植はそう簡単には行かないでしょうし、そもそもまだアルファ版なので、今後改善されていくでしょう。Mac版はそれほど問題が無いように思えます。

このApolloが素晴らしいのは、HTMLとJavaScriptでデスクトップアプリケーションを作れるという点にあると思います。極端に言えば、今までにWebサイトを作ったことがある人であれば、Apolloを使ってデスクトップアプリケーションも作れるようになる可能性さえあります。ただ、よりリッチなアプリケーションを作るにはMXMLとActionScriptの組み合わせを用いたほうが良いようです。どちらの組み合わせにしても、マークアップ言語とスクリプト言語なので、Webサイトを作るに近い感覚でデスクトップアプリケーションを作る事ができると思います。

また、ApolloによってWebとの繋がり方も変わっていくのではないでしょうか。今まではWebサイトを見たり使ったりする時は必ずといっていいほどWebブラウザを通す必要があったわけですが、これからはWebブラウザに限らず色々なApolloのアプリケーションから扱うことも多くなると思います。特にAjaxを使ったWebアプリケーションなどは、わざわざブラウザを通してWebアプリケーションという形で使うのではなく、Apolloを使って直接デスクトップにアプリケーションとして持ってくることだって可能になるでしょう。

まだ正式版ですらないApolloですが、すでに色々な可能性を秘めていると思うので今後も注目していきたいところです。どの段階で追加されるかは不明ですが、Linuxのサポートも追加予定らしいので、クロスプラットフォームな環境としても魅力的なものになりそうです。

Moto Ishizawa

Moto Ishizawa
ソフトウェアエンジニア。ロケットの打上げを見学するために、たびたびフロリダや種子島にでかけるなど、宇宙開発分野のファンでもある。