HTTP/2 Draft 16 日本語訳
これは HTTP2 Advent Calendar の21日目の記事です。
先月末に HTTP/2 の16番目のドラフトが公開されています。いつものように、今回も日本語の翻訳版を用意しましたので、HTTP/2 Draft 16 日本語訳として公開します。なお、Draft 15 の日本語訳については、短い間隔で Draft 16 が公開されたため見送っています。
Draft 14 以降の変更ではバイナリレベルのフォーマットに変更は入っておらず、ドラフトの文言修正や暗黙的になっていた定義の明確化など細かい修正にとどまっています。Draft 14 からの変更点の概要は以下の通りです。
- HTTP_1_1_REQUIRED エラーコードが追加
- 421 HTTP ステータスコードが Not Authoritative から Misdirected Request に改名
- ストリームの状態に関わらず、PRIORITY フレームが送信可能に
- TLS 1.2 関連の制限などがより明確に
- HTTPS で使用してはいけない暗号スイートを明記
- 日本の HTTP/2 コミュニティへの謝辞を追加 (みなさんお疲れ様でした!)
HTTP/2 を策定している httpbis WG の議長の Mark のメールによると、HTTP/2 Draft 16 と HPACK Draft 10 をもって仕様に関する議論を完了し、12月16日に IESG へレビューを依頼したそうです。IESG によるレビューで大きな問題が見つからなければ、このまま仕様策定は完了となる予定です。うまくいけば2015年の前半には RFC になりそうですね。
追記: この記事の公開当初、「議長の Mark が12月16日に IESG へレビューを依頼」と記載していましたが、正しくは Publication Requested の状態になります。今後は AD Evaluation などのステップを経て、IESG へのレビューに進んでいくことになります。今後の流れについては各ステップの概要がまとめられたページが詳しいです。(大津さん、ご指摘ありがとうございました。)
最後に余談になりますが、現在の仕様では "HTTP/2.0" や "HTTP2.0" といった表記は正しくありません。正しくは "HTTP/2" または "HTTP2" となります。